Amedeo Minghi アメデオ・ミンギ

 1947年8月12日ローマ生まれ。カンタウトーレ。
 1960年代、文科高等学校在学中にリコルディ社のオーディションに応募。1966年にシングル「Alla fine」でデビューしました。輝かしいデビューを飾ったかに見えましたが、兵役服務のためしばらく音楽活動からは遠ざかることになってしまいました。
 1971年にシングル「Denise」、1973年に最初のアルバム「Amedeo Minghi」を発売しますが、ヒットには結びつきませんでした。1976年に発売したシングル「L'immenso」が最初のヒットとなります。1970年代に活動していたパンデモニウム(Pandemonium)というグループでギターと歌を担当し、リーダーを務めていたという話もありますが、上記のソロ活動期間と重なるので詳細は不明です。
 1980年、アルバム「Minghi」発売。また、同年ローマ出身の若手作詞家ガイオ・キォッキォ(Gaio Chiocchio)に出会ったのが転機となり、ミンギのエレガントなメロディーとキォッキォの自然な歌詞により以後数々の名曲が生まれます。まずは1983年に「1950」でサンレモ音楽祭に出場して、同名のアルバム「1950」を発売。次いで、1984年「Quando l'estate verra」を発売しています。以後、「Cuori di pace」 (1986)、「Serenata」 (1987)、「Le nuvole e la rosa」 (1988)とコンスタントにアルバムを発表しています。ジャンニ・モランディに1982年に「Solo all'ultimo piano」を提供するなど他のアーティストへの作曲も手がけ、1989年には当時デビュー間もない女性歌手のミエッタのプロデュースを務めました。彼女はミンギの書いた「Canzoni」でサンレモ音楽祭新人の部で優勝。ミンギもライヴ・アルバム「La vita mia」で「Canzoni」を歌っています。翌1991年はミンギとミエッタはデュエットでサンレモ音楽祭に出場して「Vattene amore」で3位に入賞して大ヒットとなり、ミエッタはスター歌手となり、ミンギの人気も上昇しました。1990年、ライヴ・アルバム「Amedeo Minghi in concerto」発売。1991年には再びサンレモに出場して「Nenè」 (1991)を歌い入賞して、同名のアルバムを発売。以後、「Fantaghiro (soundtrack)」 (1992)、「I ricordi del cuore」(1992)、「Dallo stadio Olimpico (ライヴ盤)」 (1993)、「Come due soli in cielo」 (1994)、「Come due soli in cielo (ベスト盤)」 (1995)、「Cantare e d'Amore」 (1996)、「Il fantastico mondo di Amedeo Minghi (soundtrack)」 (1996)、「Decenni」 (1998)、「Minghi Studio Collection(ベスト盤)」 (1999-2000)とアルバムを発売。2000年のサンレモにはマリエッラ・ナーヴァとデュエットでサンレモに出場、「Futuro come te」を歌っています。

 
 
Amedeo Minghi 「In concerto」 (1991) (PAL VIDEO)
 アメデオ・ミンギは決して派手なパフォーマンスをしたり、衣装に凝ったりするようなアーティストではないのですが、ライヴを重要視しているようでライヴ盤CDも数種発売されています。前記のような理由からビデオ化する意義はそれほど感じられませんが、本作は1990年7月23日、ローマのサンタマリア・イン・トラステヴェレ広場で収録されたものということで、ローマの夏の夜の雰囲気を味わうことができます。ミンギのピアノのほか、バックはキーボード、ギター・ベース、ドラムス・パーカッションの3人というシンプルな編成で、例によってミンギの甘いヴォーカルをキーボードを中心としたアレンジで包み込むという内容。E「St. Michel」、G「Serenata」、ミエッタに書いたH「Canzoni」、M「1950」、P「L'immenso」、Q「Vattene amore」等々代表曲を20曲収録しています。@「Nenè」のみ新曲で、ビデオ・クリップとなっています。
(FONIT CETRA Video FCVL 01)




 Amedeo Minghi 「I ricordi del cuore」 (1992)
 ミンギの曲はメロディーも美しいし、キーボードのアレンジも壮大で、好きになればとても感動できると思います。派手さはありませんが、彼はよくサントラも手がけているようで、本作の曲も映画の挿入歌として使用すればピッタリというタイプの曲が多いです。例によって、キーボードと打ち込みを中心としたアレンジです。C「Marì」とかタイトル曲Hなどいい曲だと思いますが、全体的に曲調が似ているので歌詞の解釈をして歌の内容を知ることができればよいと思います。
(FONIT CETRA CDL 315)



 Amedeo Minghi 「Dallo Stadio Olimpico di Roma」 (1992)
 2枚組ライヴ・アルバム。本作はサッカーセリエAのローマ、ラツィオが本拠地とする競技場、スタディオ・オリンピコで1992年6月25日に収録されたものです。クラウディオ・バリオーニもよくオリンピコでコンサートを行っています。ミンギはローマ出身のため、当地での人気は高く、本作でも聴衆が一緒になって歌っているのが聞こえます。CD1@「Notte bella,magnifica」のみスタジオ録音の新曲。ライヴは1987年作の「Mia vita」がフェード・インしてきて始まるという意外な形での収録。その他、上記の「I ricordi del cuore」からが中心で、なんと10曲すべてを収録しています。ミンギの書く優雅なメロディーとバックのオーケストラ演奏が素晴らしく、他にも「Quando l'estate verra」、「Nenè」、「L'immenso」などの代表曲を歌っています。
(FONIT CETRA TCD 1007(2))


 Amedeo Minghi 「Come due soli in cielo」 (1994)
 ミンギには珍しく紙ジャケ仕様のアルバム。曲の傾向は従来通りで、キーボードと打ち込みを使用したアレンジ。ファンにとっては安心かもしれませんが、「またか。」という声も聞こえてきそう。でも、曲は粒ぞろいでいいです。B「Asia」でいきなり「遠い彼方、海の向こうへ...」と、日本語の女性の声が聞こえて来たと思ったら、坂本龍一に捧げた曲だそうです。Miyako Negiという人が詞を書いて歌っています。
(FONIT CETRA TCDL 380)